日本ビューホテル株式会社(6097)

日 時:2017年7月29日

場 所:札幌グランドホテル(北海道札幌市)

説明者:代表取締役社長 遠藤 由明 氏

 

1.会社概要

・当社の設立は1953年です。資本金は27億6,900万円で、東京証券取引所市場第一部に上場しています。2017年5月1日時点の連結従業員数は1,000名弱です。

・当社グループのセグメントは、ホテル事業、施設運営事業、遊園地事業の3つです。ホテル事業は直営による「VIEW HOTEL」ブランドを展開する、グループの中核事業です。施設運営事業は低い事業リスクで宿泊施設をチェーン展開しています。遊園地事業は当社創業の地、栃木県那須高原で「那須りんどう湖 LAKE VIEW」を運営しています。

・ホテル事業10施設、施設運営事業9施設、合計19施設を運営しています。そのうち12施設が直営です。その他に旅館の運営受託、企業の委託を受けた保養所等も運営しています。

・2017年4月期は営業利益・経常利益が増収増益です。当期純利益は高崎ビューホテルおよび秋田ビューホテルの減損損失を計上したため、マイナス15億5,400万円です。高崎ビューホテルは2017年末を目処に営業を終了する予定で、秋田ビューホテルは借地権等の資産価値を再鑑定したところ地価の下落がありました。両ホテル合わせて25億5,100万円の減損損失を計上しています。資産価値の見直しのため、キャッシュ・フローへの影響はありません。

・2012年4月期から2017年4月期まで、連結業績の推移は着実に増収、営業利益・経常利益も増益基調を継続しています。また、2017年4月末時点の財務指標は高い安全性を継続しています。

 

2.ホテルマーケットの魅力・成長性

・ホテルマーケットの推移について、国内宿泊マーケットは拡大基調を継続しています。国民のレジャー・余暇生活への重点意識は高い水準で推移し、訪日外国人旅行者の増加、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催効果およびカジノ構想等も含めて、期待のできるマーケットと言われています。

・観光立国政策として、日本政府の観光産業へのバックアップも強い追い風です。2016年の訪日外国人旅行者数は2,403万人に達し(日本政府観光局JNTO推計値)、4年連続で過去最高を更新しています。JTB(株式会社ジェイティービー)の見通しでは、2017年は前年比12.5%増の2,700万人と予想されています。政府は2020年に4,000万人、2030年に6,000万人を目指すと発表しています。

・東京オリンピック・パラリンピックに向けて空港・港をはじめとした交通網、インフラ整備、それに加えて日本の持つポテンシャル、具体的には治安・衛生・食事・見どころ、国民の親切さを考慮すると、さらにリピーターは増え続け、2020年以降も期待のできる産業であると言われています。

・オリンピック・パラリンピック開催後、開催国の外国人訪問者数はどの国も伸びています。スペインはバルセロナオリンピック後に外国人訪問者数が2倍以上に達しています。

 

3.日本ビューホテルの強み・特徴

・当社の強み・特徴の1つに、旗艦ホテルである浅草ビューホテルの収益力があります。東京は都道府県で外国人旅行者が最も多い訪問地であり、なかでも浅草は東京のみならず日本を代表する観光エリアです。浅草は都内で訪日外国人の訪問率第3位、満足度は第2位(出所:観光庁『訪日外国人消費動向調査』)であり、今後も期待ができる観光地です。

・浅草ビューホテルは1年を通して行われるイベント等により、観光資源に大変恵まれています。また、東京スカイツリーの眺望は各部屋の窓が大きく、台東区の条例および計画により眺望をさえぎる建物がありません。雑誌『日経トレンディ』の特集で、当ホテルはスカイツリーから2キロエリアの眺望ランキングで1位になっています。年に1回のみ隅田川花火大会の日は各部屋の小窓が開けられます。目と耳で花火を楽しむことができるのも付加価値の1つです。

・浅草ビューホテルは2017年4月期も、客室、婚礼・宴会、レストラン他、全ての部門で増収でした。客室部門は1日の売上の最大化を目的とするレベニューマネジメントの精度向上により、高い稼働率と販売単価の上昇を継続しています。客室の付加価値の向上に努め、ADR(販売した客室1室あたりの平均単価)は2017年4月期、2万円を超えています。インバウンドは個人層を中心にネット販売を強化しているため伸びています。

・事業展開のバックボーンは次の4つです。1つ目は形式にとらわれない温かみと親しみのあるサービスです。2つ目が立地条件や市場に即した営業戦略により利益を創出することです。3つ目が多様な販売チャネルを駆使した多様な顧客層からの集客ができることです。4つ目が“食のVIEW”、“味のVIEW”と呼ばれるべく、美味しさにこだわった直営による多彩なレストランを営業することです。

 

4.今後の経営ビジョン

・現在のホテル業界を取り巻く環境・動向としては、訪日外国人旅行者の増加、宿泊マーケットの拡大、そして少子高齢化、都市部への人口集中等が挙げられます。取り組むべき課題には、2020年に向けて更に厳しくなる首都圏での競争環境への対応等があります。

・この現状と課題に対応するため、当社は2017年1月に第2次中期経営計画「VIEW HOTELS Mission ─Sustainable Growth─」(長期持続的な成長)を発表しました。これは、当社グループのミッションを達成するため、当社グループの4つのコンセプトである「ホスピタリティ」「地域密着」「ビュー〈景色・ロケーション〉」「進化と変化」に基づき、長期持続的な成長を目指す上での今後4ヶ年の基本戦略を示す経営計画です。

・計画の骨子は4つです。1つ目は更なる安全・安心を追求すること、2つ目は各事業所の現状・市場・将来性について再検討を行い、それを経営に反映することです。3つ目は大都市で賃貸契約を中心とした新規ホテルの展開を進めること、4つ目が株主還元の充実を図ることです。

・経営戦略の1つ目として、長期的な視野に立った設備投資を行います。エンジニアリングレポート(ER)に基づく設備投資に51億円、業績を引上げる戦略投資へ50億円、その他を含め合計117億円の投資を計画し、実行に移します。なお、EBITDA(減価償却前営業利益)は計画値が4ヵ年で123億円と投資額を上回っているため、十分に投資をまかなえる計画であると考えています。

・経営戦略の2つ目は、旗艦ホテルである浅草ビューホテルの更なる収益力強化です。2017年5月から1階フロアの大規模改装を実施しています。日本情緒をテーマに、フロントロビー、レストラン・ラウンジ・バー、デリカを全面改装します。ブランドイメージ、付加価値を高めることで、宿泊および料飲の売上伸長につなげたいと考えています。

・経営戦略の3つ目は、都市型観光ホテルの展開を進めることです。日本の将来の変化を考慮して、東京、大阪、札幌、名古屋、京都、福岡の6都市を、進出する最優先検討エリアとします。10年後の2027年4月期には現在の直営12施設から20施設まで増やしたいと考えています。

・2017年5月3日、「札幌ビューホテル大通公園」が開業しました。当社グループ初、念願の北海道進出です。東京ドームホテル札幌の後を受けて賃貸で運営します。

・当ホテルは、リニューアルにより新たに客室61室を増室します。また、1階フロアに開放感あふれるブッフェレストランを新設し、レストラン・バーを現在の5ヶ所から2ヶ所に集約してグレードを向上させ効率化を図ること、婚礼部門の営業を終了すること等、選択と集中により、宿泊部門に一層力を注いだ構成に変えて収益の拡大を図る方針です。

・1階フロアのグリルブッフェ&レストラン・バー オードリーは2017年9月2日にオープン、増室した客室は同年10月にオープンします。双方ともに特徴ある高品質の商品を提供し、愛されるホテル作りを目指したいと考えています。

・現在建設中で2018年春に開業を予定しているのが、「大阪ビューホテル本町」です。地上19階建、客室数170室、直営レストランを兼ね備えた、和をコンセプトにした宿泊主体型の都市型観光ホテルです。交通至便な立地にあり、国内外のお客様の観光拠点としてご利用いただける施設やサービスを構成していきたいと考えています。

・当社は筆頭株主のヒューリック株式会社と資本・業務提携を締結しています。提携により、ホテル出店機会の増加を期待しています。主に新規ホテル・旅館の案件および事業所の資産価値の向上で協働を図ることが目的です。

・経営戦略の4つ目は、「ビューホテルらしさ」を追求しブランド価値を高めた経営を進めることです。お客様に感動と喜びを提供し、社会に必要とされるホテルグループを目指す従業員の心の持ち方、行動のベースになるのが、「ビューホテルらしさ」の追求です。それらを行動に移し、浸透させることでブランド価値を向上させます。品質向上のみならず、新規事業展開においてもなくてはならないものです。今後は教育・評価・採用に連動させて一体化を図り、更に進化させることでブランド価値を向上させ、業績にも反映させていきたいと考えています。

・当社は企業価値の拡大を目指します。当社のありたい姿、ミッション、スタイルを共有し、日常業務・人材育成・CS活動・採用に展開させていきます。変えないものは当社のコンセプト、変えるものは時代の変化に伴う戦略です。「ビューホテルらしさ」を推進力に、ステークホルダーの期待に応えるべく、企業価値の拡大を図ります。

・経営戦略の5つ目として、2017年4月より「楽天ポイントカード」のサービスを導入しています。お客様の利便性を高め、来館の動機付けになることを期待しています。また、データの活用による顧客管理のみならず、ピンポイントでのセールスプロモーションを行うことにより、業績に寄与するものと期待しています。楽天ポイントカードが利用できるホテルは、当社が業界で初めてです。

・連結業績の計画数値は、2021年4月期に売上高250億円、営業利益17億5,000万円、経常利益16億円、営業利益率7%です。また、10年後の長期計画についても、現在取り組みを始めているところです。

・2018年4月期は、2017年末に営業を終了する高崎ビューホテルの減収を見込んでいます。また、浅草ビューホテルは1階の大規模改装および受変電施設の交換があり、8月下旬から3週間程度全館をクローズします。札幌ビューホテル大通公園の大規模改装の経費等も計上しています。さらに大阪ビューホテル本町の開業準備経費を計上しています。

・長期持続的成長のために大規模な設備投資等を集中的に計画しているため、2018年4月期のみは大幅減益を予想しています。2019年4月期以降は、投資効果および新規開業ホテルが業績に寄与していくので、再び増益基調へ転換して長期持続的な成長のサイクルを構築していきます。

 

5.株主還元策

・当社の理想は、株主様が当社グループのお客様になり、当社グループのお客様が株主様になっていただく関係を構築することです。

・基本的な方針は、毎期の安定配当による直接的な利益還元と、成長投資で将来にわたる利益の拡大をして株価を上昇させることです。2つのバランスをとりながらトータルで株主還元を図りたいと考えています。

・配当性向は30%以上としていく方針です。2017年4月期の配当金は、前年度普通配当実績と同様の1株あたり22円でした。今期2018年4月期も大型投資等により営業利益・経常利益は減益を予想していますが、1株当たり配当金22円を継続したいと考えています。

・2017年1月から7月までの間に総額5億円、40万株を上限として自己株式を取得しています。

・株主優待制度は、利便性の観点から金額優待券を導入しています。札幌ビューホテル大通公園でも利用することができます。新規ホテルを着実に展開し、優待利用の機会増加を図りたいと考えています。

 

6.質疑応答

Q1.5月3日に札幌ビューホテル大通公園が開業いたしましたが、進捗状況はいかがでしょうか。

A1.開業から3ヶ月程度過ぎ、現段階では概ね順調に進捗しています。特に宿泊部門が好調です。1日あたりの売上の最大化を目指すレベニューマネジメントを導入しました。ADR(1部屋あたりの販売単価)が上がり、今のところ予想以上の業績を上げています。現在、客室およびグリルブッフェ&レストラン・バー オードリーの新設工事を行っています。東京でトップクラスの人気がある浅草ビューホテルのブッフェレストランと同様のノウハウを使った施設を作ります。2017年9月2日にオードリーが開業し、同年10月に客室がリニューアルオープンすることで、初めてグランドオープンになります。現在はこれをいかにPR・営業していくか、戦略を練り準備しています。

 

Q2.札幌への更なる出店はあるのでしょうか。

A2.札幌は当社の目論んでいる大きな拠点の1つです。また、今後2店目、3店目を展開することで、管理の効率が上がります。マーケットの状況、当社の状況をふまえながら、良い話があれば前向きに計画していきたいと考えています。

 

Q3.従業員研修で特筆できるもの、力点をどこに置いておられますか。

A3.社員研修・人材育成の観点では、大きく3つの研修を行っています。全体研修、階層別研修、職務別研修です。1つ目の全体研修では、「ビューホテルらしさ」のスタイルブックを従業員全員に配布し、各部署でどう実現化するかという内容で研修をしています。また、当社の歴史や経営方針を理解するために「ビューホテルアカデミー」を設置し、パート社員や新入社員等の研修をしています。また、通信教育のプログラムの中から自分が学びたいものを選び、研修期間中に受けた教育については会社が全額負担をしています。2つ目の階層別研修は、内定後の教育、新入社員教育、3年目教育、初期管理者研修等があり、階層ごとに研修をしています。また、選抜制の研修も開始しています。女性活躍プロジェクトでは女性管理者を登用するために、自薦・他薦により候補者を選抜して研修をし、次世代研修は次の総支配人・経営者を登用するための選抜制の教育です。3つ目の職務別研修は、宿泊部門はレベニューマネジメントの研修会、婚礼部門はコンサルティングによるブライダルプランナー研修、接客部門は英会話や小笠原流礼法のおもてなし等をプログラムに組み行っています。さらに、これらの研修が実際にどのように接客に反映されているかを見るためのミステリーショッピングリサーチ(覆面調査)を、外部調査機関に委託しています。定期的に全事業所をまわり、良かった点・悪かった点を点数化し、それをランキングにして社内で発表しています。課題がある場合は、いかに解決していくかをチームで考え、解答を提出させるようにしています。

 

以上

 

 

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